魚と健康の話 2013年2月号 鯛篇

赤塚薫 

日本人に愛される魚~鯛~

こんにちは
寒い日が続いてますが、いかがお過ごしですか。
2012年3月より始まりました「魚と健康の話」も7回目となります。

今月は「鯛」をテーマにお話します。
鯛は、優美な姿・上品な味・鮮やかな色合いが特徴で、名前の通り「おめでたい魚」として、馴染みの深いものです。
卒業・入学などお祝い事の多いこの時期、鯛を食べる機会も多くなりそうですね。

魚の王様、鯛を食べるとこんなメリットがあるんです

鯛は冬から春にかけて旬を迎えるので、これから益々おいしくなります。

★鯛のおすすめポイント
・質のよい蛋白質を含み、消化吸収しやすい
・赤ちゃんの離乳食や胃腸の弱っている方、お年寄りの食事などにおすすめ
・旨みの素となるアミノ酸を含むので味に深みがある
・ビタミンB1も豊富で食欲増進、疲労回復に効果がある

また養殖の鯛は青魚と同じように、EPA、DHAを含むので血中のコレステロールや中性脂肪の低下作用、高血圧、動脈硬化予防などにも効果があります。
青魚が苦手な方には、ぜひ食べて頂きたいお魚です。

また、鯛は捨てるところがないといわれ、刺身や塩焼き、煮物、蒸し物、お吸い物、アラ炊きなど全身すべておいしく食べられる魚です。
味にくせがないので和食だけでなく、洋食・中華とジャンルを問わず幅広いレパートリーで、私たちの食卓を楽しませてくれます。

熊本県民は鯛好き?

平成19年~21年の家計調査によると、熊本県民は肉類購入金額は全国10位、魚介類は47位と肉好きの人が多いようです。

しかし魚介類の購入金額は全国平均より少ないのですが、鯛の購入金額は全国1位だそうです。
熊本が鯛の養殖が盛んであり、おいしい新鮮な鯛が手に入りやすいことも理由の一つでしょう。

地元で獲れるおいしい・栄養満点の鯛、しっかり食べて元気にお過ごし下さい。

(参考文献:熊本県庁 平成22年度統計アラカルト)

魚と健康の話 2012年12月号 魚を食べて転倒予防篇

府内 梢 

魚を食べて転倒予防~魚に含まれるビタミンDと筋肉・骨の話~

 2012年も残すところあと1ヶ月。 みなさんはどんな1年を過ごされましたか?
年末に向けてますます寒さが厳しくなります。
風邪やインフルエンザなどの病気も流行する時期ですので、自己管理をしっかりしていきましょう。  

サルコペニアとは!?  

 みなさん突然ですが、「サルコペニア」という言葉を聞かれたことがありますか?

 サルコペニアとは・・・
「加齢、活動性の低下、栄養不良、疾患などにより筋肉量の減少と筋力の低下があり、その結果、転倒・骨折の危険性が高まったり、各種疾患を生じやすくなった状態のこと」を言います。

 近年話題になってきた言葉で、とくに高齢者がサルコペニアになることは重篤な疾患にも繋がりかねないため、予防する必要があります。

 また、若い方でも筋力・体力作りをすることは病気を予防するためにも重要なことです。
適度な運動と適切な食事管理を行って、サルコペニアを予防しましょう。

食事管理の中でも最近特に注目されているのが「ビタミンD」です。

 ビタミンDは体内で筋肉を構成するたんぱく質を合成するのに重要な役割を果たしており、
また、骨を合成するためにも重要な役割を果たす栄養素です。

 特に高齢者ではビタミンDの積極的な摂取により転倒予防にも繋がるという研究もあるそうです。
そこで、ビタミンDを多く含む食品として挙げられるのが「魚」。
特に鮭はその含有量も多く、家庭でも取り入れやすい食品なのでビタミンDを摂取するには最適です。

 ビタミンDがその効果を発揮するためには「日光にあたる」ことが大切。
普段から魚をたくさん食べて、外で体を動かし、丈夫な筋肉と骨作りをしましょう!!
(日向ぼっこで日光をあびるだけでも良いのです)

今回はビタミンDたっぷりで今が旬の秋鮭ときのこを使ったレシピを御紹介します。

≪鮭の焼浸し≫

(分量)
分量

(作り方)
① 鮭は1人分を2切あてに切り、塩・こしょうを振ってしばらくおいておく
② しめじは茹で、ししとうは素揚げしておく
③ 鮭を焼く
④ 沸騰させたAの調味料に②のしめじと焼きたての鮭を5分程度漬け込む
⑤ お皿に漬け込んだ鮭としめじ、ししとうを盛り付ける

今回は鮭の焼き浸しを御紹介しましたが、
これから寒さがますます厳しくなり、鍋も美味しい季節ですね。
ビタミンDをたっぷり含んだ鮭やきのこを使った鍋もおすすめです。

参考文献:日本栄養士会雑誌 2012.9月号
第54回日本老年医学会学術集会ランチョンセミナー資料「転倒とサルコペニア~改善と予防~」

魚と健康の話 2012年10月号 さんま篇

江副眞由美 

さんまの美味しい季節になりました。

毎年8月になると、さんまの初物の話題がテレビで取り上げられます。
今年はさんまが不漁と伝えられ、一時期は高値でしたが、9月頃からお手ごろな価格に 落ち着いてきました。
最近は年中お馴染みの食品が出回っており、「旬」を意識することが少なくなりました。
そんな中で、秋の訪れを感じさせてくれる「さんま」、もう食べられましたか?

さんまの内臓を食べられるのは、なぜ?

さんまの消化管は「1本の長い管」で、 胃や腸の区別がありません。
その為、餌(オキアミなど)を食べてから排出する時間が30分程度と短いので、 内臓に排泄物が残っておらず、内臓も一緒に食べられるのです。

さんまの栄養価

さんまには魚油成分が豊富で、多価不飽和脂肪酸を多く含みます。

・EPA(エイコサペンタエン酸) 890mg
・DHA(ドコサヘキサエン酸) 1700mg  (可食部100gあたり)
*最新日本食品成分表」 医師薬出版(株) 2011.3.1発行    

EPAとDHAは血液の流れをよくすることで、動脈硬化などの生活習慣病を予防するなどの効果が 期待できます。
(認知症との関係については、4月号の記事をご参照下さい)
また、DHAは脳が急激に発達する胎児期から乳児期にかけての赤ちゃんにとって大切な栄養素でも あります。 
最近の人工ミルクには、母乳成分に近づける為にDHAを添加したものが多いようです。

DHAはヒトの脳の神経細胞の主要な成分の為、DHAを取ると頭が良くなる・・・などと 騒がれた時期もありました。
DHAが豊富な「さんま」は、子供から大人までみんなに食べて欲しい食品です!

さんまの食べ方

さんまを焼いた後のグリルの掃除や、キッチンに臭いが残りがちということで、お困りの方も いらっしゃるのでは? 
そんな方には、鍋で出来る「山椒煮」をお勧めします。 粉山椒でもいいですが、実山椒を使うと より美味しく仕上がります。 お試し下さい。

「さんまの山椒煮」

材料(4人前)
・さんま 4尾    
・塩  適宜    
・酒  適宜

(A)   
・水  130~150ml     
・濃口醤油 大さじ2~3 (実山椒の塩分により調整)    
・砂糖   大さじ1    
・実山椒(塩漬け、佃煮、など) 小さじ1    

作り方
①さんまの頭、尾を落として、長さ3cmに筒切りにする。 内蔵を抜いて水洗いし、ペーパータオル等で水気を拭き取る    
②①に塩と酒をふって10分程置いた後、水気を拭き取る    
③Aを鍋に入れ煮立ったら、②を入れ、落し蓋をして中火~強火で加熱。 (煮汁が少ないようであれば、水を追加して下さい)      
お好みの味加減まで煮詰めて出来上がり。

魚と健康の話 2012年8月号 煮魚篇

古庄高子 

蒸し暑い夏を魚料理で乗り切りましょう

暑い日が続いていますが、体調はいかがですか。
この蒸し暑い夏を乗り切るには、魚料理もお薦めのひとつです。一口に魚料理といっても、その調理法は、「焼く」「煮る」「蒸す」「揚げる」などさまざまです。

魚調理は難しいと敬遠されがちですが、栄養満点の魚をしっかり食べられるよう、調理のバリエーションも増やしておきたいものですね。普段の調理ではフライパンやグリルを使って『焼く』ことは多くても、『煮魚』となると難易度が高くなっているのではないでしょうか。そこで今回は、煮魚にスポットをあててお話したいと思います。

『煮る』調理法はこんなメリットが・・・ 

沸騰した中で煮ることで、たんぱく質を熱で手早く凝固させ、魚のうまみ成分・イノシン酸を閉じ込めることができます。熱で生臭さのもと・トリメチルアミンなどが揮発して消えるメリットもあります。

おいしく煮るコツの色々・・・

・うまみ成分を閉じ込める為、魚は煮汁が沸騰してから鍋に入れる。
・短時間でさっと煮ると、きれいに美味しく出来上がります。
・煮汁はなるべく少なめにすると、うまみや栄養が溶け出すのを防ぐことが出来ます。
・落とし蓋をすることで煮汁が対流し、短時間でも味はしっかりしみこみます。

※一口メモ
煮汁の黄金比率は、『水:酒:みりん:醤油=3:1:1:1』 お好みで砂糖は加減してください。
魚の臭みが気になる方は、一緒に生姜や梅干を入れると良いでしょう。

教えます!使い残した魚の賢い保存法

ズバリ!みそ漬がおススメです!!みそ(甘みそ除く)に含まれる塩の浸透圧で長もちさせる方法です。魚の中の水分を適度に抜くことで、腐りにくくなり日持ちもします。(冷蔵庫で2日くらいが目安です)
しかも、魚のうまみ成分・イノシン酸に、みそのうまみ成分・グルタミン酸が加わるので、うまみ成分の相乗効果でおいしさがグッとアップします。

是非、煮魚に挑戦してみてください! 料理のレーパートリーが増えて、さらににぎやかな食卓になりますよ!

魚と健康の話 2012年6月号 かつお篇

高橋広美 

「登り」と「下り」年2回の旬

こんにちは。
魚が食卓に登場する回数は増えていますか?
魚と健康の話、第3回は『かつお』をテーマにお話します。

みなさん、かつおの旬はいつかご存知ですか?
ご存じの方も多いと思いますが、かつおには、「登り」のものと「下り(戻り)」のものがあり、獲れる時期や場所はもちろん味も違います。

かつおは、3月頃から九州(宮崎あたり)で漁獲され、その後、魚群が北上するとともに、大阪→東京→三陸沖へと漁場が移動していきます。

春先から初夏に漁獲されるかつおは「初がつお」と呼ばれ、エサを求めて日本沿岸(太平洋側)を北上してきた群です。この群は、まだ脂乗りが薄く、淡泊な味をしています。

その後、北海道南東部まで北上し、水温が低下を始める9月中旬頃から南下を始めます。 これが「下りがつお」もしくは「戻りがつお」と呼ばれるもので、たっぷりとエサを食べているため脂がのって美味しいです。

栄養たっぷりのかつおを美味しくいただきましょう

では、栄養の違いはどうでしょう? 「初がつお」と「戻りがつお」の100g中の脂肪含有量は、初がつおは0.5g、戻りがつおは6.2gで、なんと12倍以上の違いがあります(出典:日本食品標準成分表2010) 1年に2回の旬がありますので、それぞれの味を楽しむことができます。

<かつおの栄養価>
かつおはたんぱく質が豊富です。
春獲り・生(初がつお)  25.8g
秋獲り・生(戻りがつお) 25.0g
(出典:日本食品標準成分表2010)
ビタミンB群、ビタミンDも豊富で、とくに、血合い肉に含まれるビタミンB12は、肉類のレバーに匹敵するほどです。カルシウム、カリウム、亜鉛などのミネラル成分も、バランスよく含まれている為、貧血、動脈硬化、肝臓疾患などの症状を予防する食材として近年注目されています。

<かつおのたたき>
薬味のにんにくに含まれる“アリシン”には、疲労回復に役立つビタミンB1の吸収を助ける働きがあり、ねぎ、たまねぎには殺菌作用があります。 ポン酢だれに含まれるクエン酸は、食欲増進、減塩に役立ち、鉄分の吸収を良くしてくれます。旬のかつおは、安価で美味しいのが特徴です。

魚を食べて、毎日元気に過ごしましょう!

魚と健康の話 2012年4月号 魚と認知症の関係篇

橋爪真由子 

旬の魚を美味しく食べましょう

皆さんは、この時期の旬な魚をご存知でしょうか?
今の季節なら、真鯛、かつお、などがおいしいですね。
真鯛は、カルパッチョ風にしてサラダ感覚でいただくと、野菜もたっぷりとれていいですよ。

かつおは、たたきが主流ですが、やまいものすりおろしとにんにく醤油でいただく、
『かつおのやまかけ』も簡単でおいしいです。
その他、しょうが醤油をからませた、かつおのステーキなどもおすすめです。

魚と認知症、本当に関係あるの?

さて、『魚と健康の話』第2回目は、~魚と認知症の関係~についてお話します。
魚と認知症、本当に関係あるの? と思った方多いと思います。

ある研究機関が調べた調査で、魚を食べている人は食べていない人に比べて、
認知症になる危険度が低いということが分かりました。
(kalmijin,1997)

特に、マグロ・サバなどの青魚に含まれているDHAやEPA(不飽和脂肪酸)は、
脳の神経伝達をよくしたり、脳の血行をよくするはたらきがあります。
マグロは子供から大人まで、誰にでも人気のある魚で、お寿司のネタでも上位をしめています。

マグロの栄養素(食材100g当り)の紹介
・EPA(エイコサペンタエン酸) 27mg
・DHA(ドコサヘキサエン酸) 115mg
(出典:五訂増補日本食品標準成分表脂肪酸成分表編)

あわせて、野菜・果物に含まれるビタミンC、ビタミンE、ベータカロチンには、
坑酸化作用があり、認知症の予防に効果的だということもわかっています。
魚と野菜を中心に、さまざまな食品をまんべんなくとって、元気で健康な毎日をお送りください。

魚と健康の話 2012年3月号 アスタキサンチンの効用篇

管理栄養士 稲葉扶紀子 医療法人社団 仁誠会 ケアセンター赤とんぼ 栄養科長

魚をもっと食べましょう!

こんにちは。
今日のお昼、夕飯は何を召し上がりましたか?
お家の食卓に『お魚』は、どれくらいの頻度で登場していますか?

この度、ご縁あって「魚と健康の話」を、医療法人社団 仁誠会の管理栄養士チームが担当させていただくことになりました。みなさまのお役に立つ情報をご提供できれば、と思っていますので、よろしくお願いします。

第1回目は《アスタキサンチンの効用》についてご紹介します。

カニやエビ、鯛は なぜ赤色?

アスタキサンチンってご存知ですか?

アスタキサンチンは、自然界にある赤い色をした色素であり、赤い色の元になっています。
アスタキサンチンは、藻やプランクトンが作り出す成分で、それを食物連鎖によって取り込むことで、カニやエビ、鯛などは赤い色をしているのです。

アスタキサンチンの抗酸化力は、坑酸化成分の代表格であるベーターカロチンの10倍、ビタミンEの1000倍といわれ、そのパワーはまさに驚異的です。

また、表皮の奥の細胞分裂を促し、古い角質を除去してターンオーバーを正常に戻したり、コラーゲンを増やす働きもあります。つまりアスタキサンチンは、シミを予防するだけでなく、紫外線で傷ついた肌の回復を助け、元の肌の色に戻す美肌・美白効果も期待できる、いまとても注目されている成分なのです。

アスタキサンチンを含んだ鯛の皮を食べると、お肌がつやつやになる?まんざらウソでもなさそうです。
アスタキサンチンを有効に利用する方法が、様々な分野で研究されるようになってきています。最近は、その効果に注目し、これを配合した化粧品なども販売されています。

女性には、まさに“お肌の救世主的”な存在かも?
魚をもっと食べて、元気で健康な毎日をお送りください。